運用状況

弊社では、SCAシリーズでマルチカメラシステムのベースを三友株式会社様の協力で作成いたしました。導入後すぐ に音楽イベントの収録や地元の秋祭りの生中継、選挙速報などに使用しました。スタジオ及び出先での基本仕様はSP1＋SONY PMW-350　3式で運用し、拡張用及び多元中継用としてSP2/BU2が1式あります。使用方法は、スタジオ収録での運用、現場にシステムを持ち込ん で、従来の中継車にシステムごと組み込んでの運用です。中継車への組み込みとは映像系機器は古くなっていても音声系やインカム系の回線や自家発電装置（発発）などはまだまだ活用したいという思いからです。

SCA光カメラアダプタシステム導入背景

弊社は、マルチカメラでの収録や生中継の数に比べ圧倒的にENGでの取材数が多く、マルチカメラ専用と
してのカメラシステムを導入するよりもENGカムコーダーをマルチカメラ収録でも有効に活用していきたいと
いう思いがありました。
そこで弊社が導入の条件として考えたのは下記のとおりです。
（１）光マルチカメラケーブルでの運用が可能なこと。
（２）タリー及びリターンの信号が送れること。
（３）インカム機能があり、他の機器との接続が可能なこと。
（４）スタジオや出先などでも使用可能なこと。

その条件をふまえてSCAシステムの魅力を考えますと、光マルチカメラケーブルでの運用は準備の手軽さ
もありますが、予備ケーブルが確保しやすい利点があります。システム専用の特型ケーブルではないと
いう点はシステムを構築、運用していく上で大きなアドバンテージです。
タリー及びリターン信号は素早いカメラワークが要求されるスポーツイベントや音楽イベントでは最重要な
機能です。またスタジオ収録でのタリーの有無は出演者の負担の軽減になります。

インカム機器との接続は、既存の中継車のインカム設備やワイヤレスインカムとの接続を考えてのことです。
CRY-LU1（ライブユニット）は【AUX】と【TEL】がありますので、CRY-LU1を中心に考えるとスマートなインカム
環境が構築出来ると思います。インカム用のPGMオーディオもSDIのエンベデッドオーディオと
アナログオーディオがCRY-LU1、SCA-BU1、SCA-BU2それぞれに設定可能ですのでシステム設計の
選択肢も増えます。

スタジオや出先での運用に関しましては、とにかく本番までの準備の時間を短縮したいという思いと、基本
システムを容易に理解することで、どのスタッフがどの現場に行っても設置や運用が可能になることを
目指しています。準備時間を短縮することはリハの時間確保に繋がり、スタッフに安心感と「考える時間」を
与えます。

ケーブルテレビの制作現場はスタッフの数が少ないことがほとんどです。システムを理解しているのが
限られたスタッフになっていないか？システムごとにスタッフ割りが固定化されていないか？どこの現場
でも使い慣れたカメラ、使い慣れたシステムであるということは単なる機材の使い回しではなく、
より良い番組作りの為の時間を作り出す有効な手段だと思います。

SCA-SP2/BU2の魅力

　先日、サービスエリア内のある自治体で選挙があり、弊社でも選挙速報の生番組を行うことになりました。
本社とその自治体は距離が離れていますので、今回は本社スタジオを使用せず弊社営業所にベースを
持ち込み、仮設スタジオから生放送を行いました。
また、SCA-SP2/BU2の組み合わせは、開票所からの中継に使用しました。開票所は営業所からも数キロ
離れた場所にありましたが、光ケーブル１本で現場からの映像音声はもちろん、タリーやリターン、インカム系
の信号の返し、カメラのリモートも行えましたので、VEとしても中継先のカメラのアイリスも自分で管理
出来るのは大変助かりました。
　また、中継先での接続が光ケーブルの１本で済んでしまうことは時間の短縮やスタッフ配置に頭を
悩ませることもありませんでした。

今後に期待すること

システムの心臓部であるCRY-LU1とSCA-SP2/BU2のインカムは2つずつ欲しいと思いました。
SCA-SP2/BU2は光ケーブルを使用出来ることから、スイッチャーやディレクターのいるメインの場所から
かなり離れた場所での使用が多く考えられます。カメラマンへの指示以外の連絡もありますのでSCA-SP2
に現場FD用インカムがあと1系統あれば良いと思います。

SCA光カメラアダプタシステムはENGカメラと時間の有効活用を実現してくれる製品です。